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ベーシックというより |
ベーシックと言う言葉をタイトルに持ってくるのであれば著者の作品が初心者であろう人々も店頭で多く手に取る事も多いはずですが、初めての者にはわかりにくく長年の光野桃ファンにしかわからないような書き方をしているような気がします。だだ文章の表現や文体は相変わらず素晴らしいと思います。
紺の幅の広いパンツを中心にしたマニッシュなスタイルが定番だと過去の作品では強調されていたにも関わらず、アラブやアジアの民族衣装だとかいろいろな色のアイテムが登場する辺りベーシックを講義してくださる著者自身のベーシックがばらばらな印象を受けました。
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ちょうど同じような気分 |
昔ヴァンテーヌなどに文章を書かれているのを読んで以来のファンです。
今度はバーレーンにご家族で行かれるということで仕事を休まれたので、
帰国されたらまた書いてくれるのかなと期待して待っていました。
バーレーンで完全に専業主婦の暮らしをされていて、
おしゃれして出かける場所もなかったこと。
四季がなかったので日々の暮らしにメリハリがつかず、
洋服に対するセンサーが鈍ってしまったこと。
どれもこれも私が海外で暮らし、帰国して感じたことそのもの。
こんなに洋服の仕事をされて、ミラノなどでもセンスを磨いた彼女でさえ
そうなるんだとちょっとおどろきましたが、
同時にこの本を読み終わって私もまたおしゃれができそうな気がしてきました。
こういう先輩がいてくれてよかったと読んでつくづく思った本です。
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生き方を見直す |
カバーの美しさに惹かれて購入しました。
タイトルは「おしゃれのベーシック」ですが、私にとっては生き方を見直すきっかけとなりました。
まずは日々の生活そのものをベーシックにしたいと思いました。そうすれば自然とおしゃれも服もベーシックになるでしょう。
気持ちのいい春を迎えるために、クローゼットとそして私の心に溜まった「ベーシックに生きるために必要のない」ものをさっそく整理したいと思います。
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思わず自分のワードローブを見直しました |
『おしゃれの視線』以来のファンです。ミラノに住んでヨーロッパのお洒落のエッセンスを綴っていらした光野さんが、一度休筆されて中東という全く異なる文化を体験し、ご自身のお洒落のスランプ状態にも苦しんだ結果、改めて自分の本当に好きなものをベーシックとして受け入れる気持ちになった……そのプロセスは非常に納得のいくものでした。ブランドにまつわる話も、たんなる思い出話ではなく、ブランドに対して「所有する」ことにしか興味を持たない日本の女性たちに伝えたい著者の思いがあるのではないでしょうか。私はまず自分のワードローブを見直すことから自分なりの「ベーシック」が始まると気づかされ、思わずクローゼットを開きました。いつのまにか大部分を占めていた黒や紺の服、そして仕事用のスーツ……まるで本書に出てくる女性たちとおんなじです。もっと明るく、楽しいお洒落を目指したいという気持ちになりました。気づかされ、励まされる本です。
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オールドファンですが・・・ |
作者の執筆されたコラムは、雑誌「ノンノ」時代から拝見していました。「自分を花にたとえて」ファッションを考えるなど、新鮮な発想が素敵でした。今回のご新作に関しては、現代の日本女性が、「ベーシック」から自分のファッションを構築していけるようなエッセイを期待していました。しかし辛口にいわせていただければ、今までの作品に登場してきたようなファッションアイテムや、登場人物が多いようで、新鮮さが欲しいです。作者の思い出のネタは、今まで愛読してきた者には物足りない感があります。次回作に期待します。